一橋教員の本

祝祭としての文学

祝祭としての文学

祝祭としての文学

佐々木滋子
水声社 2012年3月刊行
ISBN : 978-4-89176-890-4 本体5,000円+税
刊行時著者所属:佐々木滋子(一橋大学大学院法学研究科教授)

著者コメント

 1872年、コミューンの余燼さめやらぬパリにやってきたマラルメには、ある野心があった、コミューンという出来事がその存在に照明を当てた「大衆」という新たな文化的主体を自らの公衆とするような、新たな文学・芸術の形式を創出すること。この野心の実現を、マラルメは、まず新たな「演劇」の、次いで「書物」の、企てを通して追及することになる。そこで彼が目指し、作り出そうとしたものはいったい何だったのか、また、彼がこの企てを通して考究していた人間の「生」の事態はいかなるものだったのか?本書では、多様なジャンル(国際博覧会探訪記事、モード雑誌、美術評論、演劇時評、ワグナー論、時事評論、文学評論、書物論、等々)に亘る後期マラルメの散文を丁寧に読み解きながら、この問題を考えようとした。



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