一橋教員の本

聖性の転位 : 一九世紀フランスに於ける宗教画の変貌

 
聖性の転位 : 一九世紀フランスに於ける宗教画の変貌  

聖性の転位 : 一九世紀フランスに於ける宗教画の変貌

 喜多崎親
三元社   2011年2月刊行
ISBN : 9784883032891    本体4,300円+税
 刊行時著者所属 : 喜多崎親(一橋大学大学院言語社会研究科)

著者コメント

 19世紀のフランス美術史といえば、何よりも印象派が思い浮かびます。実際彼らが20世紀の美術史に与えた影響は、造形・主題・制度など様々な面に及んでいます。しかしそれは、19世紀において彼ら以外の美術が存在しなかった、あるいは彼らにつながる系譜しか美術ではなかったことを意味しません。この本はそのような考え方に基づいて、19世紀フランスに於けるキリスト教絵画について考察したものです。
 大革命後のカトリック復興期、フランスの画家達は過去様式を意図的に利用することで聖なるものの表象を模索していました。しかし、考古学や民族誌によってもたらされた古代やオリエントの新しいイメージは、次第にそれらを変質させ、新聞や雑誌の美術批評は、そこに新たに意味を読み取っていきます。本書はそのような宗教画の制作過程や図像形成、受容の場や言説の分析を通して、近代美術への新たな視界を切り開く試みです。
 なお、本書は早稲田大学に提出された博士論文をもとに、一橋大学の武山基金による出版奨励事業費の助成を得て刊行されたものです。

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