一橋教員の本

ホッブズ

 
ホッブズ 

ホッブズ

 田中浩
清水書院   2006年4月刊行
ISBN:4389410490   本体850円+税
 著者紹介:一橋大学名誉教授(法学博士)

著者コメント

現代世界は今から三五〇年ほど前のイギリスの「ピューリタン革命」によって切り開かれた。この時一人の偉大な思想家トマス・ホッブズが登場した。彼は市民革命の真只中にあって新しい近代国家・近代社会の構図を理論化した主著『リヴァイアサン』(一六五一)を公刊した。彼は古代ギリシアの自由な思想を近代において再生させた「ルネサンス」と原始キリスト教の人間愛的平和思想を復活させた「宗教改革」の二つの運動の精神を接合して、人間の「生命の尊重」に最高価値をおく「自由・平等・平和」を実現する国家・社会・人間論を体系化し、全人類が民主主義の精神を理解し学習できるようにした。その意味ではロックもルソーもスミスもマルクスも正当な「ホッブズの子」である。『リヴァイアサン』が「社会科学の古典中の古典」といわれるのはこのためである。本書はホッブズの全体像を欧米はもとより日本ではじめて明らかにしたものといえよう。



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