一橋教員の本

「権力社会」中国と「文化社会」日本 

 
「権力社会」中国と「文化社会」日本 

「権力社会」中国と「文化社会」日本

 王雲海
集英社   2006年6月刊行
ISBN:4087203484   本体660円+税
 著者紹介

著者コメント

同じ「東洋」と言われている中国と日本は、実は、社会の根底ではそれぞれが全く違うのではないか。その違いは、日中関係を含めて、中国と日本の間で多くの考え方の相違をもたらしているのではないかとして、その社会的根底の違いが何か、それがどのように日中間に相違をもたらしているのかを論証しようとするのが本著書の目的である。
この目的を達成するためには、まず、制度的・構造的概念として「社会体制」(資本主義化社会主義か)と、文化的・機能的概念として「社会特質」(権力、法律、文化のどちらが社会の原点か)との二つのものを立てて、「社会特質」の方がより根本的なものであるとして、中国はその「社会特質」が「権力社会」であるのに対して、日本はその「社会特質」が「文化社会」であると分析して、日中間の多くの違いが実は「社会体制」よりもこのような「社会特質」の相違から引き起こされていると例示する。結論として、日中の両方がともに「互いが違うよ」という前提から物事を考えて、相互間の多くの問題に対処すべきであること、そして、米国はその「社会特質」が「法律社会」であるが故に、合衆国として「強く」成り立っていることに鑑みて、日中関係ないし「東アジア共同体」がうまく行くためには「法律的関係」に変身する必要がどうしてもあることを、提示する。



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