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日本学術会議会員の任命について

日本学術会議の推薦に基づいて内閣総理大臣が任命することが法によって定められている日本学術会議会員について、推薦された第25期会員候補者105名のうち6名が任命されていません。日本学術会議は、第181回総会(2020年10月2日)において、内閣総理大臣に対して、推薦した会員候補者が任命されない理由の説明と、任命されていない会員候補者の速やかな任命を要望しています。

日本学術会議の組織は第1部(人文・社会科学)、第2部(生命科学)、第3部(理学・工学)から構成されています。現在、任命されていない6名はいずれも第1部の会員候補者です。「社会科学の総合大学」であることを大学憲章に掲げる一橋大学の学長として、私はこの事態をたいへんに憂慮しています。政府と日本学術会議には誠実な対話を望みます。

今回の問題をめぐる報道を通じて、日本学術会議の存在を初めて知った国民の皆さんも多いのではないでしょうか。日本学術会議の役割と、それが政府から独立して職務を行う特別の機関として法によって定められていることの積極的な意義について、国民に対して説明責任を果たすための一層の努力もまた必要とされていると私は感じています。

国立大学法人である一橋大学の学長として、私はこれからも社会からの信頼と負託に応える教育研究の推進に不断の努力をしてまいります。

一橋大学長 中野 聡

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