大規模データに対する探索的分析の方法論の開発

 本研究は、ソーシャル・メディア上のブランド関連ミーム実践に着目し、ブランド・パブリックのダイナミク・メカニズムを理解することを目的とする。

本研究の関心は、現代の社会科学における大規模データの分析方法にある。従来の研究では、あらかじめ仮説を立て、その正しさを検証する流れが主流だった。一方で、近年では仮説が存在しない段階からデータの中に潜む未知の構造や規則性を発見する「探索的データ分析」の重要性が高まっている。

探索的分析では、多数の仮説候補を同時に扱う必要があり、偶然による誤検出のリスクが常に存在する。発見の信頼性を担保するためには、再現性のある統計的手法が不可欠となる。

本研究では、こうした探索的分析における統計的再現性の問題に取り組む。特に、複雑な依存関係や高次元性を持つデータに対しても適用可能な方法論を構築する。 このような枠組みは、特定の応用分野に依存しない汎用的なものであり、様々な領域におけるデータ駆動型の知見形成を支える基盤となることが期待される。