多言語作家のアイデンティティの揺れ―在日台湾人作家の日本語作品を中心に―

都市化による人口の移動、経済成長、多様な文化の融和は、多くの人々のアイデンティティに対する悩みや不安を引き起こした。この問題に関心を持ち続けているため、文学研究者の視点から、在日台湾人の日本語作品を中心に多言語作家のアイデンティティの揺れを研究することにした。環境・人文地理と文学の批評理論を援用すること及び比較研究を進めることを通じて、在日台湾人作家の世界文壇の位置付けや重要性を明らかにしたい。また、作品における都市描写の分析を通じて、アイデンティティの表現方法の裏側に潜んでいる歴史的・社会的原因を明らかにしたい。本研究は文学研究において新たな試みであり、現実世界に対しても有意義な試みである。現在も日本に移住した外国人の中には、文化の差異などにより、アイデンティティに不安を持つ人もいる。本研究を完成したとき、文学における人々の体験を通して、現在の人々を慰めることができれば幸いである。