一橋大学(以下、本学)は、国際競争力と社会的インパクトの強化を喫緊の課題とする日本の社会科学の改革を牽引して、レジリエントな世界の社会・経済システム構築に向けた知見と社会イノベーションを創出する世界最高水準の国際的な研究・ 教育拠点に成長することを目指して、指定国立大学法人構想を推進しています。また、2025年に迎える創立150周年では、「ひとつひとつ、社会を変える。The Bridge to the Future HITOTSUBASHI 150th」をテーマに掲げ、次の150年を見据えた未来創造に向けて、留学プログラムの充実など150周年記念プロジェクトを展開しています。これらの取組の一環として、本学は、内外から多数の卓越した若手教員を採用し、すでに若手研究者育成の拠点に成長している社会科学高等研究院(Hitotsubashi Institute for Advanced Study, HIAS)を本プロジェクトと有機的に接続するとともに、博士後期課程学生に対するキャリア支援を拡充整備することを通じて、日本の社会科学系博士後期課程教育システムの改革を牽引します。そして、豊かな教養と市民的公共性を備えた、構想力ある専門人、理性ある革新者、指導力ある政治経済人を育成するという本学が掲げる理念に基づいて、10年後には、優れた国際競争力を備え、より多様なキャリアパスで活躍する卓越した博士人材を内外に向けて輩出する社会科学系大学院として国際的拠点に成長し、我が国の科学技術・イノベーションを実現する卓越した博士人材を養成します。
この目的を達成するために、本学は、「『The Bridge to the Future(以下、BTF)』一橋大学博士イノベーション人材育成プロジェクト」を立ち上げました。外部委員が主要な役割を担う選抜体制のもとで、優れた語学力・研究力・挑戦力・独創性を評価基準として、文理・多分野融合的研究によりSDGs・ELSIをはじめとする新たな社会イノベーション課題に挑戦し、多様なキャリアパスで社会イノベーションを実現する志と潜在力を有する、トップ20%の優れた博士後期課程学生を全専攻から選抜します。当該学生には、研究に専念できる環境を整備し、多様なキャリアパス形成に向けた支援と一体の取組を通じてトランスファラブルスキルと経験を幅広く育みます。具体的には、HIASを拠点とするHIAS異分野交流セミナー、FDセミナーシリーズ等の「研究力強化プログラム」、キャリア支援室が提供する挑戦型インターンシップ、海外留学・国際学会参加支援、トランスファラブルスキル養成等の「キャリア開発プログラム」への参加を通して、選抜学生は、独創性に富む研究者としての国際競争力・課題解決能力、社会イノベーションを実現する人材としてのスキル・経験を獲得し、積極的・主体的に自らのキャリアをデザインし、計画的に学位を取得して、幅広いキャリアパスで活躍していきます。
