国際比較にみるCEOが論争の的社会政治上の議論に携わる誘因と波及効果の解明
近年、多くのCEOが社会政治的な問題に対して立場を表面してきた。例えば、Tim Cook(Apple)は、Indiana州の宗教的自由回復法に反対を表明し、Ed Stack(Dick’s Sporting)は、店舗での銃販売を停止すると同時に銃規制法の強化を提案した。この現象は、「CEOアクティビズム(CEO activism,以下、CA)」と呼ばれる。これまでの研究は主に米国に焦点を当ててきたが、本研究では、東アジアにおける日本と中国のCAに注目し、まずアーカイブデータでその実態を明らかにする。その上で、制度的・文化的違いがどのようにCAを促進または抑制することを探求する。また、質問票や二次データを通じてCAがステークホルダーの心理的反応を介して、企業の短期的及び中長期の業績に与える影響を解明する。本研究は従来の西洋中心の枠組みを超え、東アジア地域におけるCAを体系的に分析する初の試みである。
