パターナリズムと死の自己決定
本研究では、死の自己決定に対するパターナリズムによる介入の是非を論じることである。具体的には以下のように研究を進める:
(1)死の自己決定に対する介入、つまり、自殺に協力する行為に対する処罰はパターナリズムであるか、もしパターナリズムであるならば、どのようなパターナリズムであるかを明らかにすること。
(2)死の自己決定に対するパターナリズムがなぜ不正であるか、もしくはなぜ正当であるかを明らかにすること。パターナリズムが個人の自由を制限するため、個人の自律性を侵害し、被介入者を尊重していないと非難されるが、このような見解がどのように展開されているか、それにより、パターナリズムを支持する側がどのように反論しているかを確認する。
(3)死の自己決定に対するパターナリズムの正当性に関する議論の後ろにある根深い倫理学上の立場の対立を確認すること。