制度設計理論による専門家雇用の価値の定性的・定量的分析
私たちは日々、不確実性の中で重大な意思決定を行わなければならない。例えば、企業は新技術の導入を、政府は政策の立案の判断を、その成果に不確実性を抱えながらも下さなければならない。そこで企業や政府は、専門家を登用して調査を行うことで意思決定の改善を図っている。 しかし、外部の専門機関に調査を委託するのみならず、多大な費用を払って組織内で専門家を雇うのはなぜだろうか。組織内部の専門家は企業や政府にどのような価値をもたらしているのだろうか。申請研究は、制度設計理論のモデルを用いてこの問いに答えることを目的とする。具体的には、「組織内に専門家を置くことなく外部の調査機関から信頼できる情報を引き出すことは不可能である」という定性的な価値の解明と「最適な精度のもとで組織内の専門家がもたらす金銭的価値」という定量的な価値の導出を行う。