大規模言語モデルは言葉の意味を変えているのか?

大規模言語モデル(LLM)の登場により多くの人がLLMを介して言葉を使用するようになった。これまでは人間のみが紡いでいた言葉の中にLLMが紡ぐ言葉が出現し始めている。ここで「LLMによって言葉そのものの使われ方が変わり始めているのではないか」と考えた。LLMに限らず言葉の使われ方が変化することを言語変化と呼ぶ。言語変化には単語の選択レベルの変化と単語の意味レベルの変化が存在する。LLMによる選択レベルの変化は先行研究で確認されているが、意味レベルの変化が起きたかどうかはわからない。もしLLMによる意味レベルの変化があるかどうかを分析できれば、LLMが世の中一般の言葉の意味を変えてしまっているという仮説が検証可能となる。仮説検証に向けて、複数時期間で意味変化度合いを定量化する手法と、変化の要因がLLMによるものなのかを分類する研究を行う。これらの達成により、「LLMは言葉の意味を変えたのか?」という問いに対する回答を目標とする。