法学部

概要

良識ある指導的市民としての役割を果たしていくために

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法学部は、教育目標として、第1に、法律学・国際関係論の基礎知識及び思考方法を確実に習得させること、第2に、幅広い教養を系統的な視点から習得し、人間性豊かで学際的知識を身に付けた教養人を養成することを掲げています。

まず、なぜ法学と国際関係なのでしょうか。法は、現代の国家運営の骨格を成すものです。国の仕組みから始まって、人や物の動きや経済活動、犯罪への対処、さらには国の枠を超えて国家間の取り決めなど、生活のあらゆる場面でルールを定めています。そして、そのようなルールは、たとえ日本国内の問題であっても、今や国際的諸関係を抜きにしては語れないからです。

教育目標の第1が示しているように、法や国際関係には、個別の紛争解決に役立つという側面があります。ルールを知り、それに従って適切に問題を処理する知識・能力は、複雑化する現代社会で重要性を増しており、単に専門家に任せておけば良いとは言えなくなっています。もっとも、個々の紛争の基礎に横たわる問題を知らなければ、本来的な解決には至らないでしょう。教育目標の第2は、このような側面にかかわるものです。学問として法や国際関係を学ぶことには、より広い視野から問題を把握し、世界を全体として展望する視座を獲得するという意味があります。法学や国際関係論は、正義を、あるいは平和と共生を目指すものであって、それは単なる知識の集積を超えた営みなのです。

世界は、先行きが見えにくい状況になっています。多くの人々が真摯な思考や責任ある判断をなくしているのではないかという指摘もみられます。そのような中で、法的な素養・国際関係の知見を豊かに備えた人が、良識ある指導的市民として果たす役割は、今後ますます大きくなっていくでしょう。一橋大学法学部は、その要請に応える人材を多数育成してきましたし、そのような誇りある地位を今後さらに高めていきたいと考えています。

カリキュラムの特徴

法学部のカリキュラムでは、学部導入科目・学部基礎科目・学部発展科目という段階が設定されています。これは、厳格な学年配当制ではなく、ゆるやかな積み上げ方式を意図するもので、学生が自主的・計画的に履修していくことを奨励しています。開設科目は、伝統的な科目を精選して提供していることはもちろん、知的財産法や情報法などの現代的科目、「ジェンダーと法」、「文化交流とネットワーク」といった特徴的な切り口の科目もあります。また、学部発展科目の一部には、大学院科目との合併科目として、進んだ学修への機会となるものも含まれます。法学部科目は概ね基礎法・公法・国際法・民事法・企業法経済法・刑事法・法言語論・グローバル・ネットワーク論という「部門」に整理されています。

一橋大学の法学部は、法律学科の中に法学と国際関係分野を併せ持っていることが特徴です。学生は、3年に進学する際に、本人の希望により法学コースまたは国際関係コースに属して、いずれかの分野に重点を置いて科目履修します。法学コースでは法学関係の部門を中心とする5部門、国際関係コースでは国際関係の学修に適応した4部門の科目を所定の単位履修することが必要です。法学コースは、法的な素養を身に付けて官公庁や企業内で活躍しようとする人、法学既修者として法科大学院に進学し法曹を目指す人などを対象として想定しています。国際関係コースは、外交官や国際的活動をする機関・企業などを進路として考えている人に向いているでしょう。もっとも、いずれのコースに属してもかなり自由な科目履修が可能です。さらに、豊富な全学共通教育科目のほか、他学部の学部教育科目を履修することも認められているので、各自の興味や進路に応じて柔軟な学修計画を立てることができます。この際、「経済学副専攻プログラム」により、経済学部の科目を系統的に履修する形をとることもできます。

ゼミナール制度は、今や多くの大学で採用されるようになっていますが、伝統ある一橋大学のゼミナールは、教員一人に対し7人前後の学生から構成され、2年間継続して密度の濃い議論を積み重ねる徹底した少人数教育の場です。そして、ここで指導を受けながら学士論文(卒業論文)を完成させるのです。時間割外の「サブゼミ」や合宿などを恒例とするゼミナールも多く、卒業後も継続する人的つながりを得る意味も含めて、文字通り法学部教育の核であると言えるでしょう。

学部教育科目

学部導入科目

法と社会、実定法と社会、現代国際社会と政治、導入ゼミ

学部基礎科目

基礎法部門
西洋中世法史、西洋近代法史、日本法制史、日本近代法史、英米公法、英米私法、中国法総論、中国法各論、法哲学、法思想史、法社会学、比較法文化論、外国法原典講読
公法部門
憲法第一(人権)・第二(統治機構)、行政法第一・第二、租税法、行政学
国際法部門
国際法総論Ⅰ・Ⅱ、国際組織法、国際政治理論、国際安全保障、国際政治経済、対外対策論、グローバル・ガバナンス論、国際機構論、日本外交史、ヨーロッパ国際関係史、アジア国際関係史、冷戦史、アメリカ政治外交史、中国外交史
民事法部門
民法(総則・物権)・(債権総論・担保物権)・(債権各論)・(家族)、民事訴訟法、国際私法
企業法経済法部門
商法総則商行為、会社法、手形法小切手法、経済法、労働法
刑事法部門
刑法Ⅰ・Ⅱ、刑事訴訟法、犯罪学、刑事政策
法言語論部門
法言語基礎論、法言語歴史論、法の日本語
グローバル・ネットワーク論部門
グローバル・ネットワーク論、文化交流とネットワーク、地域交流ネットワーク論

学部発展科目

基礎法部門
ローマ法、独仏法、アジア法、外国法特殊講義(イスラム法)、情報法、ジェンダーと法
公法部門
憲法第三、国際租税法、地方自治法、教育法、環境法、生命科学と法Ⅰ
国際法部門
国際紛争処理法、EU法、国際関係研究の方法、国際安全保障事例研究Ⅰ・Ⅱ、国際政治経済事例研究Ⅰ・Ⅱ、東南アジア政治外交論、国際関係史事例研究Ⅰ・Ⅱ
民事法部門
知的財産法、民事手続法概論、国際取引法、生命科学と法Ⅱ
企業法経済法部門
企業法務、保険法、社会保障法
刑事法部門
少年法、比較刑事法
法言語論部門
法言語文化論Ⅰ・Ⅱ
グローバル・ネットワーク論部門
交渉文化論Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ

部門外講義

寄附講義
損害保険の法と実務、法律家と現代社会
法学部交流科目
Introduction to Japanese Law, Comparative Law
特別講義
特別講義

教員免許

教育職員免許法に定める所定の単位を修得し、本学部を卒業した者は、以下の免許状を取得することができる。

  • 中学校教諭一種免許状(社会)
  • 高等学校教諭一種免許状(地理歴史、公民)

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