一橋教員の本
グローバル・インバランスと国際通貨体制
小川英治編著 |
著者コメント
現在、日米欧諸国が共通して、直面している財政赤字の遠因としてグローバル・インバランスが指摘される。特に、2000年代のグローバル・インバランスは、アジアの貯蓄が米国の財政赤字を支えながら、米国における住宅投資ブームと原油価格高騰による石油輸出国のオイルマネーそして、これらの間を欧州金融機関が国際金融仲介によって、拡大した。いったん米国の住宅バブルが崩壊すると、米国のほか、欧州の金融機関までそれらのバランスシートを毀損し、世界同時不況に突入するとともに各国政府による金融機関への資本注入が欧米諸国政府の財政収支を悪化させた。本書は、基軸通貨ドル体制を考慮に入れながら、グローバル・インバランスとそれに関連する諸問題を考察する。