一橋教員の本

「戦争」のあとに : ヨーロッパの和解と寛容

 
 

「戦争」のあとに : ヨーロッパの和解と寛容

 田中孝彦, 青木人志
勁草書房   2008年12月刊行
ISBN: 9784326351428   本体2,800円+税
 刊行時著者所属:青木人志(一橋大学大学院法学研究科)

著者コメント

 現在の世界は国際政治の巨大な変化の中にある。冷戦後の世界は、グローバル化が進展し均質で統合された地球社会が出現するといわれる一方で、民族紛争やテロや貧富の拡大といったあらたな分断線も出現しつつある。世界は一種の秩序転換期を迎えているわけだが、あるべき未来の世界秩序は容易に見えてこない。ところで、およそ大きな<戦争>のあとには、かならず秩序転換期が到来する。そのような秩序転換をなんども経験してきたのは、間違いなくヨーロッパである。本書は、秩序転換期に生きた人たちが希望ある未来を作り上げるために積み上げてきた知見や経験の宝庫ともいうべきヨーロッパの歴史に、私たち自身の未来へヒントを探ろうとするものである。第一次世界大戦、第二次世界大戦、そして冷戦のというそれぞれの<戦争>の後に、ヨーロッパを舞台に「和解と寛容」に向けて、誰のどのような営為が行なわれてきたのか。本書の各章はそれを多角的に分析している。(青木人志)



Share On