一橋教員の本

フロンティアのヨーロッパ

 
 

フロンティアのヨーロッパ

 山内進編
国際書院   2008年3月刊行
ISBN:9784877911775   本体3,800円+税
 刊行時著者所属:山内進(一橋大学大学院法学研究科)

編者コメント

本書は、EUIJ (EU Institute in Japan)東京コンソーシアムにおける「法と政治」研究部門「政治」研究グループの共同研究の成果である。「政治」研究グループの課題は、ヨーロッパにおけるフロンティアの意味を考察することであった。歴史的に考えると、ヨーロッパはフロンティアを征服し、拡大する過程のなかで成立していった。フロンティアとは異質な勢力が相互に出会う空間のことであり、その限りでそこでは異質な勢力相互の共存と衝突が生まれる。ヨーロッパは衝突と征服によって自己を生み出し、拡大していった。その最終的段階が二度の世界戦争だったともいえる。しかし、その体験に対する深刻な反省を踏まえて、ヨーロッパはそれまでとは異なる原理のもとに新しい政治経済秩序の構築を目指した。それが、欧州石炭鉄鋼共同体にはじまる欧州の共同体化であった。この共同体化への動きはいま欧州連合(EU)に結実し、欧州の結合を実現しつつある。
本書は、欧州連合の歴史的・政治的意味を、ヨーロッパが現在もなお内と外に抱えているフロンティアという切り口から考察するものである。



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