一橋教員の本

思想史と社会史の弁証法 : 良知力追悼論集 

 
 

思想史と社会史の弁証法 : 良知力追悼論集

 川越修, 植村邦彦, 野村真理編, 平子友長[ほか]執筆
御茶の水書房   2007年10月刊行
ISBN:9784275005489   本体7,600円+税
 著者紹介:平子友長

著者コメント

本書は、1985年10月20日55歳の若さで逝去された故良知力教授の没後20年を記念して、良知先生の薫陶を受けた者たちが、先生の学恩に感謝しつつ、研究の現段階をまとめた論集である。それらは、先生の主著である『ドイツ思想史研究』(1966)、『初期マルクス試論』(1971)、『向こう岸からの世界史』(1978)の問題圏のいずれかに連なる論文となっており、内容的にもある程度まとまった論集となっている。
同時に、一橋大学付属図書館所蔵良知文庫(1848年革命関連史料)、慶応義塾図書館所蔵良知文庫(ドイツ3月前期、社会民主党史、マルクス主義史関連文献)の目録がはじめて一般に公刊されたことが、本書のもう一つの意義である。特に前者は、世界的に見ても稀覯なコレクションである。本書の公刊を機に、両大学所蔵の良知文庫がいっそう多くの研究者によって利用され、この時代の社会史・思想史研究がさらに深められることを、執筆者一同は願っている。それこそが良知先生を追悼する最もよい仕方なのだと思う。

執筆者一同を代表して
平子友長(社会学研究科)



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