一橋教員の本

帝国のはざまで : 朝鮮近代とナショナリズム

 
帝国のはざまで 

帝国のはざまで : 朝鮮近代とナショナリズム

 アンドレ・シュミット著 ; 糟谷憲一, 並木真人, 月脚達彦, 林雄介訳
名古屋大学出版会   2007年1月刊行
ISBN:9784815805494   本体4,800円+税
 訳者紹介:糟谷憲一

訳者コメント

本書はToront大学のAndre Schmid氏の著書Korea Between Empires, 1895-1910 の邦訳である。著者は1895年の日清戦争終結後から1919年までに朝鮮において発行された新聞・雑誌・教科書において表現された知識人の自己認識、民族認識の特質を論じ、この時期に産み出された認識こそが朝鮮民族主義者の言説の基礎を築いたと主張している。自主独立をめざす改革、日本による植 民地化をともに支えた「文明開化」の二重性、日清戦争後の中国の降格(著者はこれを「中国の非中心化」と定義する)が朝鮮の民族意識形成に果たした重要な役割、日本に「東洋の守護者」としての役割を期待する汎アジア主義の存在などに関する叙述は、きっと読者を惹き付けるであろう。(糟谷憲一)



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